自動車保険

レンタカーの保険(補償)は必要?補償内容や注意点をわかりやすく解説

更新

2026/08/10

公開

2022/06/29

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車を所有していれば「自賠責保険」や「任意保険」に加入しますが、レンタカーを利用する際は、別途自身で自動車保険に加入する必要はありません。

すべてのレンタカー事業者には「自賠責保険」と「任意保険」の加入が義務付けられており、あらかじめ利用料のなかに保険料が含まれているためです。ただし、レンタカーにセットされる補償はすべてのリスクをカバーしているわけではなく、免責補償制度(CDW)やノンオペレーションチャージ(NOC)など、補償の仕組みを正しく理解しておかないと、事故や損害が発生した際に思わぬ自己負担が生じる場合があります。

本記事では、レンタカーの補償内容と注意点、任意保険との関係、事故時の対応について解説します。

目次

    1. レンタカー利用料に自動車保険は含まれている

    レンタカーの利用料には、レンタカー会社が加入している自賠責保険と任意保険の保険料が含まれています。そのため、レンタカーを借りる際に自身であらためて保険に加入する必要はありません。

    ただし、補償の対象となるのは事前に運転者として申請した方のみです。申請していない方が運転した場合は、事故が起きても保険金が支払われないことがあるため、同乗者が運転する可能性がある場合は忘れずに手続きしておくことが重要です。

    2. レンタカーを借りる際に加入する自動車保険の注意点

    レンタカーの補償には、事前に把握しておくべき注意点がいくつかあります。主な内容は以下のとおりです。

    • 基本補償だけでは補償額が不足するリスクがある
    • 補償内容が充実していないことがある
    • 免責金額(自己負担額)が0円ではない
    • ノンオペレーションチャージ(NOC)がかかる

    それぞれの内容を順に確認していきましょう

    基本補償だけでは補償額が不足するリスクがある

    事故の規模によっては、基本補償だけで損害をカバーしきれない可能性があることを知っておきましょう。
    対人賠償は多くのレンタカー会社で無制限となっている一方、対物賠償には上限額が設けられているケースがあります。高額な車両や店舗設備などに損害を与え、賠償額が補償の上限を超えた場合、その超過分は利用者が負担しなければなりません。
    対物賠償を無制限に引き上げられるオプションを用意している会社もありますが、別途料金がかかるのが一般的です。

    なお、車両保険の補償上限は車の「時価額」が基準となります。年式の古い車両では時価額が低くなっているため、修理費用が補償上限を超え、差額が自己負担となるケースもあります。

    補償内容が充実していないことがある

    国土交通省(運輸局)の「自家用自動車の有償貸渡しの許可基準」では、レンタカー事業者が加入すべき任意保険の最低補償額として、対人賠償1人あたり8,000万円以上、対物賠償1件あたり200万円以上、搭乗者補償1人あたり500万円以上が定められています。

    これはあくまで最低基準なので、大手レンタカー会社などでは独自に『対人無制限・対物無制限』などの手厚い保険に標準で加入しているケースが一般的です。ただし、補償内容はレンタカー会社ごとに異なり、自家用車の任意保険と比べると限定的なケースもあるため、補償内容が不十分な状態で事故を起こした場合、不足分は利用者が負担しなければならない点には注意が必要です。

    免責金額(自己負担額)が0円ではない

    レンタカーの基本補償には、通常5万円程度の免責金額(自己負担額)が設定されており、保険を使っても利用者がその金額を自己負担しなければなりません。たとえば修理費用が100万円かかった場合、免責金額分の5万円は利用者負担となります。
    免責金額を0円にしたい場合は、多くのレンタカー会社が用意している「免責補償制度(CDW)」の利用が検討できます。数千円程度の追加料金で加入できるものの、運転免許取得後の年数や年齢、過去の事故歴などによって加入できない場合があります。条件はレンタカー会社によって異なるため、予約時に確認しておきましょう。

    免責金額については、以下の記事もあわせてご覧ください。

    関連記事
    車両保険の自己負担額(免責金額)とは?金額設定のポイントを紹介!

    ノンオペレーションチャージ(NOC)がかかる

    ノンオペレーションチャージ(NOC)とは、利用者の不注意による事故・故障・盗難・汚損などでレンタカーが使用できなくなった期間について、レンタカー会社の営業面での損失を利用者が補償するものです。免責金額(自己負担額)とは別に請求され、走行可能な状態で返却できた場合は2万円、走行できない場合は5万円が一般的な相場です。
    免責補償制度(CDW)同様、NOCでも1日あたり500円〜1,000円程度のオプションを追加することで免除できる場合があります。

    3. レンタカーにおける基本補償と任意加入のオプションの補償内容

    ここでは、基本補償と任意加入のオプションの補償内容を詳しく解説します。

    基本補償で補償される内容

    一般的なレンタカー会社の基本補償は以下のとおりです。

    一般的なレンタカー会社の基本補償

    補償区分 補償内容 免責金額(自己負担額)など
    対人補償 1名につき無制限 なし
    対物補償 1事故につき3,000万円~無制限 5万円
    車両保険 1事故につき時価額 5万円
    搭乗者補償 1名につき3,000万円〜5,000万円 なし
    ノンオペレーションチャージ
    NOC
    - 状態により2万円
    もしくは5万円

    NOCは免責金額(自己負担額)とは別に、休業補償として発生する自己負担です。

    対人賠償は多くの会社で無制限ですが、対物補償・車両保険には5万円の免責金額(自己負担額)が設定されており、ノンオペレーションチャージ(NOC)も別途発生します。補償内容は保険料を極力抑えた一般的な任意保険と同程度であり、オプションを追加しないかぎり自己負担が残る仕組みになっています。

    任意加入のオプションで補償される内容

    基本補償にオプションを追加することで、一般的な任意保険の補償内容と同等になります。

    一般的なレンタカー会社のフルオプション選択時の補償

    補償区分 補償内容 免責金額
    対人補償 1名につき無制限 なし
    対物補償 1事故につき3,000万円〜無制限 なし
    車両保険 1事故につき時価額 なし
    搭乗者補償 1名につき3,000万円〜5,000万円 なし
    ノンオペレーションチャージ
    NOC
    - なし

    オプションを追加すると、対物補償・車両保険の免責金額(自己負担額)とノンオペレーションチャージ(NOC)の免除が可能です。レンタカー会社によっては、対物賠償額を無制限に引き上げられるオプションも用意されています。


    補償内容やオプション料金はレンタカー会社によって異なるため、予約前に確認しておくことが大切です。

    4. 自分が加入している自動車保険を利用できる

    ご自身で加入している任意保険の特約によっては、レンタカー利用時の事故であっても補償を受けられる場合があります。利用できる特約や、注意点は以下のとおりです。

    • 他車運転特約を使って補償を受けることが可能
    • ロードサービスは使用できない
    • 1日自動車保険は対象外

    それぞれ詳しく解説します。

    他車運転特約を使って補償を受けることができる

    多くの任意保険であらかじめセットされている「他車運転特約」は、レンタカーや代車の運転時にも補償を受けられる特約です。借りた車を契約中の車とみなし、加入中の任意保険の契約内容に従って補償を受けられます。ただし、利用にあたっては以下の点に注意が必要です。

    • 対象車種は自家用8車種に限定される(自家用:普通乗用車・軽四輪乗用車・小型貨物車・軽四輪貨物車など)
      ○    以下の車種については車にダンプ装置がついている場合は補償されない。 
       ・自家用小型貨物車
       ・自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
       ・自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
    • 補償されるのは運転中の事故のみ(駐車中や停車中の事故は対象外。ただし、信号待ちや踏切での停車は運転中とみなされ、補償の対象となります)
    • 車両保険をセットしていない場合、レンタカーの車両損害は補償されない
    • レンタカー使用時のノンオペレーションチャージ(NOC)は補償の適用外

    他車運転特約をセットしておくことで、レンタカーの補償だけでは賄えない費用をカバーでき、事故後のレンタカー会社とのやりとりも円滑に進めやすくなります。

    他車運転特約については、以下の記事もあわせてご覧ください。

    関連記事
    他人の車を運転するときどのような自動車保険が適用される?他車運転特約についても解説

    他車運転特約を使うと、等級はどうなる?

    他車運転特約を使用した場合の等級の取扱いは、ご自身の車での事故の場合と同様です。1事故につき、事故の内容に応じて3等級または1等級ダウンとなります(ノーカウント事故に該当する場合を除く)。
    等級が下がると翌年からの保険料が高くなる場合があるため、修理費用の程度によっては他車運転特約を使わずに自己負担で対応した方が合理的なケースもあります。判断に迷う場合は、加入している保険会社に事前に相談されることが大切です。

    3等級・1等級ダウンの判定となる事故の詳細については、以下の記事をあわせてご覧ください。

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    【図解】自動車保険の等級とは? 割引率や複雑な仕組みを分かりやすく解説

    ロードサービスは使用できない

    ご自身で加入している任意保険のロードサービスは、一般的に契約している車のみが対象となり、レンタカーには使用できません。


    レンタカーで自走できなくなった場合は、レンタカー会社が手配するロードサービスか、個人契約のJAFを利用することになります。トラブルが起きた際はまずレンタカー会社に連絡し、指示を仰いでください。
    なお、燃料切れで補充した燃料や交換したバッテリーなど実費が発生するものは、レンタカー会社のロードサービスでも原則自己負担となります。

    ロードサービスの詳細やJAFとの違いについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

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    ロードサービスとは?自動車保険とJAFの違いや具体的な利用例を紹介!

    1日自動車保険は対象外

    コンビニなどで手軽に契約できる1日自動車保険は、ナンバープレートに「わ」「れ」が表示される法人レンタカーには適用されません。1日自動車保険の補償が適用されるのは、友人や親族など個人から車を借りる場合などに限られています。


    補償内容の拡充や、申告していない運転者への保険適用を目的に加入しても補償は受けられないため、注意が必要です。

    5.レンタカーで事故を起こしてしまったら?

    レンタカーで事故を起こした場合、まず負傷者の救護と安全確保を行い、警察への通報とレンタカー会社への連絡が必要です。事故対応の手順と注意点は以下のとおりです。

    1. 負傷者の救護および身の安全を確保する
    2. 警察へ通報する(交通事故証明書の発行に必要)
    3. レンタカー会社へ連絡し、指示を仰ぐ

    レンタカー会社で加入している自動車保険は、自家用車と同様に警察が発行する交通事故証明書がなければ使えません。こすり傷など些細なトラブルでも自己判断せず、必ず警察とレンタカー会社の両者へ連絡してください。レンタカー会社への連絡を怠った場合、保険が適用されず修理費用を請求されるおそれがあります。

    自動車事故にあった際の対処方法や責任割合については、以下の記事もあわせてご覧ください。

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    自動車事故にあった際の対処方法とは?責任割合(過失割合)についても解説!

    6.レンタカーの保険・補償を正しく理解して利用しよう

    レンタカーの利用料には自賠責保険と任意保険の保険料が含まれているため、別途保険に加入する必要はありません。ただし、基本補償には免責金額(自己負担額)やノンオペレーションチャージ(NOC)が設定されており、補償が不十分なケースもあるため、予約前に各社の補償内容とオプションを確認しておくことが大切です。

    ご自身の任意保険に他車運転特約がセットされていれば、レンタカー利用時にも補償を受けられる場合があります。ただし保険を使うと等級に影響するため、利用する際は加入中の保険会社に事前に確認しておきましょう。万が一事故が起きた場合は、軽微なトラブルであっても自己判断せず、警察とレンタカー会社の両方に速やかに連絡することが重要です。

    7. レンタカー保険に関するよくある質問(Q&A)

    レンタカーの保険についてのよくある質問を紹介します。

    Q. 免責補償(CDW)に入るべきですか?

    A. 基本補償には5万円程度の免責金額(自己負担額)が設定されているため、事故の際の自己負担をなくしたい場合には加入する価値があります。費用の目安は数千円で、借りる日数によって異なります。ただし、NOC(ノンオペレーションチャージ)は免責補償とは別の費用であるため、両方のオプション内容を確認したうえで判断することが重要です。

    Q. 1日自動車保険(コンビニ保険)はレンタカーに使えますか?

    A. 使えません。1日自動車保険が適用されるのは個人間のカーシェアリングなどに限られており、レンタカーには利用できないため、注意が必要です。

    Q. レンタカーで事故を起こしたら、自身の等級は下がりますか?

    A. ご自身が加入している任意保険の他車運転特約を使用した場合は、ご自身のお車での事故と同様に等級が下がることがあります。一方、レンタカー会社の保険のみを使用した場合は、ご自身の等級に影響はありません。

    8. 監修者コメント

    レンタカーを利用する際、ご自身の任意保険の他車運転特約があれば、レンタカー会社の補償でカバーしきれない部分を補完できます。ただし、他車運転特約の補償範囲には自身の契約条件がそのまま適用される点にご注意ください。

    たとえば運転者を「本人・配偶者限定」に設定している場合、同居のお子さまがレンタカーを運転中に起こした事故は補償対象外となります。同様に「30歳以上補償」などの年齢条件を設定している場合も、条件に該当しない方の事故は補償されません。

    家族旅行などで複数の方が交代で運転する予定がある場合は、出発前にご自身の契約内容を確認し、必要に応じて契約条件の見直しを検討しましょう。

    なお、SOMPOダイレクト「おとなの自動車保険」では、他車運転特約が基本補償に自動セットされているため、レンタカー利用時にも安心です。

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    荒木 和音
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    荒木 和音(あらき かずね)
    金融分野専門ライター。早稲田大学卒業後、生命保険・損害保険を取り扱う保険代理店にて、家計相談や企業向けのリスクコンサルティングなどを計10年以上経験し独立。大手証券会社・保険会社や大手金融メディアでの豊富な執筆実績を持つ。専門性の高いテーマでも、読者の理解を促す構成と語り口にこだわった記事制作を得意としている。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。
    肩書・資格

    金融分野専門ライター、ファイナンシャル・プランニング技能士2級

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