自賠責保険(強制保険)と自動車保険(任意保険)の違い
加入が義務付けられている自賠責保険(強制保険)と、加入が任意の自動車保険(任意保険)の違いを解説します。それぞれの特徴をご確認のうえ、自動車保険への加入をご検討ください。
自賠責保険(強制保険)とは
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、交通事故の被害者救済を目的として、すべての車の保有者に加入が義務付けられている保険です。
自賠責保険の補償対象は、交通事故によって他人(事故の相手方)を死傷させた場合の「対人賠償」のみに限定されており、補償額にも上限が設けられています。事故の相手方の車や建物といった物的損害への賠償(対物賠償)や、運転者自身のケガ・お車の損害に対する補償は含まれていません。
自賠責保険に未加入の状態で車を運転した場合は、罰則を受けます。さらに、自賠責保険に加入していなければ車検を受けることもできません。車検時には、車検期間をカバーする保険期間の自賠責保険への加入が必要です。万が一、車検切れの状態で公道を走行した場合も、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となります。
自動車保険(任意保険)とは
自動車保険(任意保険)は、自賠責保険だけではカバーしきれない損害に備えるための保険です。
自動車保険の基本的な補償は、以下の4つです。
| 補償の種類 | 補償内容 |
|---|---|
対人賠償保険 | ご契約のお車による事故で他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任を負った場合に、相手方の治療費や慰謝料などを補償する |
対物賠償保険 | ご契約のお車の事故で他人の車や建物・設備を壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に、修理費や休業損害などを補償する |
人身傷害保険 | 自動車事故によるご自身や同乗者のケガに対し、治療費や休業損害などを補償する |
車両保険 | ご契約のお車が、事故により損害を被ったり、盗難にあったりした場合に修理費用などを補償する |
上記の基本補償に加え、弁護士費用特約や個人賠償責任特約などの特約をセットすることで、必要な補償を自由に設計できます。
自賠責保険と自動車保険の違い
自賠責保険と自動車保険の違いを5つご紹介します。
- 加入義務
- 補償内容
- 保険金額
- 保険料
- 加入方法
加入義務
自賠責保険は強制加入、自動車保険は任意加入となっている点が、一番の違いです。
自賠責保険と自動車保険の両方に加入していない状態で人身事故を起こすと、被害者への賠償金がすべて自己負担になります。また、自賠責保険に未加入で運行した場合は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科せられます。※1
さらに、交通違反となり違反点数6点が付され、即座に免許停止処分となります。※2
※1 自動車損害賠償保障法第86条の3
※2 道路交通法
なお、自賠責保険に加入していても、その証明書を所持していなかった場合は30万円以下の罰金が科せられるため、注意が必要です。
自賠責保険証明書とは?携帯方法や保管場所、紛失時の対応を解説
補償内容
自賠責保険と自動車保険では、以下のように補償の内容が異なります。
| 補償内容 | 自賠責保険 | 自動車保険 | |
|---|---|---|---|
| 相手方への賠償 | 対人賠償(ケガ・死亡) | △ | ◯ |
対物賠償 | × | ◯ | |
| ご自身への補償 | ケガ・死亡の補償 | × | ◯ |
お車の補償 | × | ◯ | |
| 示談交渉 | × | ◯ | |
| ロードサービス | × | ◯※ | |
◯:補償対象 ×:補償対象外 △:補償されるが最低限の補償のみ
自賠責保険は、事故の相手方への対人賠償のみを補償します。一方で、自動車保険は、事故の相手方への対物賠償やご自身への補償など、お客さまのニーズに応じてさまざまな補償を追加することが可能です。
※ 「おとなの自動車保険」ではえらべる補償としてロードアシスタンス特約をセットするかお選びいただけます。
保険金額
自賠責保険は、前述のとおり事故の相手方への対人賠償のみ補償され、 補償内容に応じて以下のように保険金額も一律で決まっています。
| 補償内容 | 保険金額(被害者1名あたり) |
|---|---|
傷害による損害 | 上限120万円 |
後遺障害による損害 | 上限4,000万円 |
死亡による損害 | 上限3,000万円 |
参考: 限度額と補償内容|国土交通省
一方で、自動車保険は契約する補償内容によって保険金額が異なります。たとえば、対人賠償保険の保険金額を無制限にすれば、自賠責保険ではカバーしきれない高額な賠償請求が発生した場合でも安心です。
ほかにも、自動車事故によりケガ・死亡したときの治療費や精神的損害など、実際の損害額を上限に補償を受けられる「人身傷害保険」などがあります。
保険料
自賠責保険の保険料は、保険期間によって差があるものの、同一車種であれば一律です。これは、被害者の救済を目的とした社会保障的な性格を有する保険であるためです。
一方で、自動車保険は補償内容や車の使用目的によって保険料が異なります。また、「おとなの自動車保険」のように、「ネット割」や「おとなの2台目割引」などの独自の割引制度を利用できることがあります。
加入方法
自賠責保険は、損害保険会社の本支店や保険代理店(自動車販売店など)で加入できます。自家用自動車の場合は、車検の際にあわせて手続きをするのが一般的です。
手続きの際は、車台番号や登録番号など車両情報がわかる車検証が必要です。
一方で自動車保険は、保険会社や代理店の窓口で担当者と相談しながら契約する「代理店型」と、インターネット上で申込みができる「ネット型(通販型)」の2つの加入方法があり、保険会社ごとに補償内容や付帯サービスなどに少しずつ違いがあるため、ご自身で選んで加入する必要があります。
おとなの自動車保険は、お見積りからお申込みまでインターネットで簡単にお手続きいただけます。
自動車保険に加入しない場合のリスク
自賠責保険だけで、自動車事故のリスクに備えられるとはかぎりません。自動車保険への加入は任意とはいえ、加入しないリスクは大きいといえます。
自賠責保険で補償されるのは対人賠償のみ
自賠責保険の補償内容は、交通事故で相手方を死亡させてしまったり、ケガを負わせてしまったりしたときの対人賠償にかぎられます。
相手方の車に発生した損害やご自身のケガ、お車の損傷に対する補償はありません。また、ガードレールや電柱などを壊して賠償責任が発生した場合でも、補償の対象外です。
ご自身の治療費やお車の修理費用などへの補償を受けるには、自動車保険の人身傷害保険や搭乗者傷害特約、車両保険に加入する必要があります。
自賠責保険だけでは事故時の賠償金額をカバーできないことも
自賠責保険の保険金額は、後遺障害が上限4,000万円、死亡が上限3,000万円です。この保険金額を超えた損害賠償責任を負うと、自賠責保険でカバーできない部分に関しては自己負担となります。
しかし、自動車保険では対人賠償保険の保険金額を「無制限」とすることが可能です。また、車や建物などに対する賠償責任に関しても対物賠償保険で補償を受けられます。

万が一のリスクに備えたい場合は、自賠責保険だけでなく自動車保険にも加入すると良いでしょう。
実際に発生した対人事故の事例
信号のない交差点において、トラックが標識に基づき一時停止後に交差点に進入したものの、左から直進してきた原動機付自転車と衝突。原動機付自転車に乗っていた34歳主婦に重度の後遺障害が残った。
損害額1億9,629万円

実際に発生した対物事故の事例
トラックが踏切内で脱輪してしまい電車と衝突。そのまま電車は脱線し近くの家屋に衝突した。
損害額1億2,036万円

このように、車を運転する以上は、自賠責保険の上限額(傷害:120万円、死亡:3,000万円、後遺障害:4,000万円)を超える対人事故や自賠責保険では補償されない対物事故を起こしてしまうリスクはゼロとはいえません。
万一の場合に備えて、自動車保険への加入をご検討ください。
自動車保険のメリット
自動車保険に加入する主なメリットを5つご紹介します。
- 対物補償や搭乗者への補償がある
- 賠償金額が高額になったときもカバーできる
- 必要に応じて特約を付けることができる
- 事故対応・示談交渉を代行してもらえる
- 事故や故障時のロードサービスを付けることができる
対物補償や搭乗者への補償がある
「他人の車や建物、財物に損害を与えたケース」や、「ご契約のお車の搭乗者がケガをしたケース」に対して補償が受けられます。自賠責保険ではこれらのケースでは補償が受けられないため、自動車保険に加入するメリットといえます。
「おとなの自動車保険」であれば対物賠償として他人の車や建物、財物に損害を与えた場合も保険金をお支払いします。また、人身傷害保険や搭乗者傷害特約をセットすることで、ご契約のお車に搭乗中の方がケガをした場合にも保険金をお支払いします。
賠償金額が高額になったときもカバーできる
前述のように、自賠責保険ではカバーしきれない高額の損害賠償を命じられたケースでも、自動車保険に加入しておけば超過分をカバーすることができます。
万が一に備え、「おとなの自動車保険」では対人賠償保険金額を無制限に設定しています。
必要に応じて特約を付けることができる
自動車保険は、必要に応じて基本補償にプラスした補償(特約)をセットすることができます。特約の内容は各保険会社によって異なりますが、代表的なものに裁判など弁護士を通じて事故の相手方に損害賠償を請求する場合の費用を補償する「弁護士費用特約」や、自転車事故にあいケガをした場合に備える「自転車傷害特約」、日常生活のなかで他人のモノを壊したり、ケガをさせたりした場合に補償が受けられる「個人賠償責任特約」などがあります。
また、「おとなの自動車保険」の車両保険では、「車両無過失特約」が自動でセットになっています。車両保険金のお支払いについて、ご契約のお車の運転者に責任のない被害事故で、次年度も当社でご継続いただくなど、一定の条件を満たす場合は、お客さまの等級が下がらない特約です。
事故対応・示談交渉を代行してもらえる
自動車保険では、いざというときに事故現場にかけつけてのサポートや、事故後の示談交渉を代行するサービスを提供している会社があります。
「おとなの自動車保険」なら、事故の際にALSOK隊員が事故現場にかけつけ、お客さまに寄り添い事故対応をサポートします(ALSOK事故現場安心サポート)。ご契約者さま全員に提供される無料のサービスです。
また、示談交渉も、専任担当者にお任せいただくことが可能です※。
※ お客さま(被保険者)からの要請と、相手方の同意が得られた場合にかぎります。また、お客さまに法律上の損害賠償責任がない場合など、一部示談代行サービスを行うことができない場合があります。
事故や故障時のロードサービスを付けることができる
自動車保険には、事故の場合や車両のトラブルのときも安心のロードサービスを付けることも可能です。
「おとなの自動車保険」のロードアシスタンス特約であれば、全国約8,000か所※の拠点から24時間・365日対応を行います。また、以下のようなサービスの特長があります。
- 応急処置・運搬費用サポート
- ガス欠時の給油サービス
- 宿泊費用・移動費用の補償
- ロードアシスタンス Web手配サービス
- ※2025年7月時点
なお、「おとなの自動車保険」はロードアシスタンス特約のみ利用の場合、翌年度の等級が下がることはありません。詳しい内容はロードアシスタンス特約をご覧ください。
自動車保険に関するよくある質問
事故が起きた際、自動車保険を使わず自賠責保険のみを使うとどうなりますか?
自賠責保険には自動車保険(任意保険)のような等級制度がないため、自賠責保険のみを使用した場合、自動車保険のノンフリート等級の進行に影響することはありません。
ただし、自賠責保険の補償は相手方への対人賠償のみで、保険金額にも上限があります。賠償金が限度額を超えた場合、超過分はすべて自己負担が必要です。さらに、相手方の車や建物などへの対物賠償やご自身のお車の修理費用は自賠責保険の補償対象外のため、すべて自己負担しなければなりません。
事故が起きた際、自動車保険と自賠責保険のどちらに連絡すればよいですか?
自動車保険(任意保険)に加入している場合は、ご自身が加入している保険会社の事故受付窓口にご連絡ください。基本的に保険会社が自賠責保険の請求手続きもあわせて対応します。
なお、事故が起きた際は、まず安全を確保し、負傷者がいる場合は救護措置を行ったうえで、警察への届出を行いましょう。保険会社への連絡はそのあとで問題ありません。
自動車保険の保険料を安くする方法はありますか?
自動車保険の保険料を抑えるには、補償される運転者の範囲を見直したり、年齢条件を適切に設定したりすることが効果的です。
また、保険料に大きく影響する車両保険の条件を見直す方法もあります。車両保険の補償範囲を限定したり、免責金額(自己負担額)を高めに設定したりすることで、保険料を抑えられる場合があります。
自賠責保険でカバーしきれない損害を補償するのが自動車保険
すべての自動車の保有者に加入が義務付けられている自賠責保険でカバーできるのは、相手方への対人賠償のみで、保険金額にも上限があります。対物賠償やご自身のケガ・お車の損害は補償されないため、自賠責保険だけでは万が一の事故に十分備えることはできません。
自動車保険(任意保険)は、こうした自賠責保険の不足分を補い、対人・対物賠償からご自身やお車の補償まで幅広いリスクに備えるための保険です。ご自身やご家族、そして事故の相手方を守るためにも、自動車保険への加入をぜひご検討ください。
「おとなの自動車保険」では、手厚い基本補償をベースに、必要な補償を自由に選んで組みあわせられます。まずはお気軽にお見積りをお試しください。
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